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行商

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山下ミツ商店の山下浩希です。

僕の商人としての原点は映画『てんびんの詩』。
大正時代、近江の商家の長男近藤大作少年が小学校を卒業した翌日から天秤棒を担ぎ『鍋蓋行商』を行い試行錯誤の中から商いの素晴らしさに目覚めるという物語。

『てんびんの詩』が原点と書きながら僕には行商の経験が無かった。先月の24日豆腐の移動販売見学を踏まえ今日、自分でやってみた。

朝8時、トラックに豆腐を積み会社を出発。向かうは福井県大野市。大野市を選んだのは特に理由は無い。強いて言えば白峰から近くもなく遠くも無くという立地だから。初めてということで期待と不安が入り混じり近づくにつれ緊張してくる。

勝山市を通り過ぎトンネルを抜けると大野市。直ぐに道路を右折し最初の集落に入る。

どの家から始めようかと徐行運転を始めた時に10数年前、京都の一燈園でおこなった六万行願(ろくまんぎょうがん)という京都の街中に出て一軒一軒「お宅様のトイレ掃除をさせてください」とお願いして歩きトイレ掃除をさせて頂く研修を思い出した。

この研修を始める時に係りの方から「この町を回ろうと決めたら家を選ばず断られたら必ず隣の家にお願いをするように」と言われていた。つまり、家の外観で「この家にしよう」とか「この家は止めよう」と区別してはいけないという事だ。

よーし、最初の家からだ!

車を降り玄関に向かう途中で大きな声で「おはようございます」と挨拶しその後、チャイムを押す。・・・これは24日に見学させて頂いたいしかわさんの販売員さんに習ったやり方。

直ぐにお家の方が出て来て下さった。

「白峰の豆腐屋山下ミツ商店と申します。今日から豆腐の移動販売を始めました。トラックの豆腐を見て頂けないでしょうか?」とお願いする。

「お豆腐?お嫁さんが毎日買ってくるからいいわ」とあっさり断られる。


隣の家の前にトラックを移動し「おはよう・・」「白峰の・・・」
「家の者が居らんから分からん」と御主人に断られる。


未だ2軒しか回っていないのに気持ちが沈みかけてくる。「最初から上手く売れるわけない。断られて当たり前」と自分に言い聞かせる。


そのお隣の家。チャイムを押そうとしたら「悪質訪問販売お断り」の張り紙が・・・。一瞬チャイムを押す事をためらったが「自分は悪質業者でない!」とまた自分に言い聞かせ押す。・・・が、お留守だった。


つづく。


※最後までお読み下さいましてありがとうございました。

今日の「燃える豆魂日記【豆腐道とうふみち】」如何でしたか?
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◆妻榮子のブログ「お豆腐で料理」
◆弊社WEBサイト白山とうふ工房山下ミツ商店

コメント (1)

続きが楽しみです^^
ふらり

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