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山下ミツ商店の山下浩希です。
2ヶ月位前に日本消費経済新聞に『消費経済の広場(旧タイトル:リレートーク)』というコーナーに長野の南木曽木材産業(株)の柴原薫さんからの紹介で「せめて『国産国消』で・・・」というタイトルで寄稿した。
今日、掲載号が届いた。
せめて「国産国消」で・・・
「私は霊峰白山の麓、人口1200人の石川県白山市白峰(旧白峰村)で豆腐の製造販売をしております。私どもは代々豆腐屋で私で5代目か6代目になるそうです。豆腐屋の息子として生まれ育ちながら豆腐屋になるのが嫌でサラリーマンになりましたが1年半で挫折し1986年に豆腐の知識ゼロで家業を継ぎました。
旧白峰村をはじめとする白山麓は堅い豆腐を食べるのが当たり前という地域で、豆腐という物は柔らかく滑らかな食べ物でなく、堅い弾力のある食べ物だと高校生になり金沢で暮らすようになるまで思い込んでいました。その堅い豆腐という珍しさから新聞雑誌テレビ等マスコミで頻繁に紹介され石川県内では「白峰の堅とうふ」と かなりの知名度のある豆腐になっていました。
豆腐の知識ゼロでスタートした私は自分の家で作る「堅とうふ」を祖母ミツと母孝尾から習いました。家業を継ぎ数年経ち一通り自分で「堅とうふ」が作れるようになった頃、金沢福井から50km、人口1200人のこの白峰で豆腐屋としてこれから先5年、10年、20年、40年と生きて行けるのだろうか?という疑問と不安が頭を過ぎる様になりました。
そこで地元では当たり前の「堅とうふ」だけでなく「絹とうふ」や「木綿とうふ」も作れるようになろう。同時に「変わり豆腐」としてでなく金沢福井は勿論、東京大阪等の県外大都市でも評価され通用する豆腐を作りたいと思うようになりました。
早速豆腐料理の本を購入し中に書かれている『普通の豆腐』の作り方を家庭用豆腐キットで練習しました。いろんな本を読み練習を繰り返す中で山下ミツ商店が目指す豆腐作りの方向性が見え始めてきました。
それは「国産大豆100%」「消泡剤不使用」「国産天然にがり100%」・・・この3点セットの豆腐作りです。お蔭様でお客様に御評価頂き、情報物流の発達も相まって全国から注文を頂くようになりました。
私ども山下ミツ商店は「日本地豆腐倶楽部」というグループに加わっています。日本地豆腐倶楽部では国産大豆振興のため毎年「国産大豆サミット」を開催し国産大豆に関わる大豆生産者様、大豆問屋様、我々加工者、食品流通業者様、そして消費者様まで全ての人々に国産大豆の価値を再認識して欲しいと運動をしています。
国産大豆の受給率は3%とか5%と言われています。簡単に「買ってもらえないから」とか「値段が高いから」という理由で大豆を栽培しない。加工しない。売らない。食べない・・・では大豆に関わり生きている者としての意識が問われます。
グローバルな時代です。が、「地元の物を地元で消費する」という『地産地消』とまでいかなくてもせめて「日本で出来た物を日本で暮らす我々が消費する」という『国産国消』の世の中になって欲しいと願います。」
※最後までお読み下さいましてありがとうございました。
今日の「燃える豆魂日記【豆腐道とうふみち】」如何でしたか?
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